日本語補習校に行くべき?ー補習校のメリット・デメリット

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補習校には行くべき?
補習校のメリット・デメリットが知りたいな

駐在でも永住でも、海外で子供を育てていると、子供を補習校に通わせるかどうかは、皆さん、一度は悩まれるのではないでしょうか?

わが家の娘も、小学 1 年生から小学 3 年生の1 学期まで補習校に通っていましたが、実際に通ってみて、良い面と悪い面、どちらも感じました。

前回の記事では、補習校に関する詳しい情報(時間割・行事・学校生活・宿題)についてご紹介しました。

この記事では、補習校に通わせるか迷っている方のために日本語補習校に通うメリットとデメリットを深く分析し、詳しくまとめました。

一般的なメリット・デメリットだけでなく、実際に私が感じた良い面と悪い面について、根拠とともにかなり具体的に本音で書いています。

この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

目次

補習校に通うメリット

子供とも大人とも、日本語で話す機会ができ、一緒に日本語を学ぶ友達ができる

  • 日本語を話す機会は、日本語を学ぶモチベーションになります。
  • 補習校では、発言の場や先生と話す機会があり、敬語の使い分けができるようになるので、将来、日本語を使った仕事にもつきやすくなるでしょう。

日本の学年相当の学力と学習言語を身につけやすい

  • 日本の学校と同じ内容を同じスピードで学ぶので、学年相当の学力がつき、帰国後もあまり遅れることなく、日本の勉強についていけるでしょう。
  • その言語での思考力を高めるためには、「生活言語」だけでなく「学習言語」が必要です。学習言語を身につけられれば、「高度バイリンガル」になれる可能性が高くなります。

日本語の「書く力」をつけやすい

  • 日本語の四技能(聞く・話す・読む・書く)のうちで一番高度なのは、「書く」です。
  • 補習校では、毎週のように「書く」宿題が出されるし、作文コンクールなどもあります。書き方の「型」も教えてくれます。日記や作文などは、家庭学習だけでは難しく、強制力がある方がやりやすいです。
  • 細かい指導やサポートは、家庭で行う必要があります。家庭での指導が難しい場合や、レベルアップさせたい場合は、個別指導の家庭教師や塾にお願いした方が良いでしょう。

発表の機会、理科の観察や実験などの機会がある

  • 皆の前で発表する機会は、学校ならではです。オンラインレッスンよりも対面授業の方がより効果的な経験ができるでしょう。
  • 家庭で実験材料を揃えたり、機会を作ったりするのは大変なので、学校でやってくれると助かります。

図書館で日本語の本を借りられる

  • 言語を育てるのに、本はなくてはならないもの。たくさん本を読むことで、語彙力・思考力・知識など、いろいろな力がつきます。
  • 多くの補習校では、貸し出し用の日本語の本を持っていると思います。娘が通っていたカナダの補習校でも、図書館がありました。
  • 日本から本を取り寄せると送料がかかるし、オンラインショップでは中身があまり見られないので、図書館があると助かります。

日本の授業スタイルや学校文化・行事を体験できる

  • 日本の授業スタイルや学校文化を知っていると、帰国後の編入や体験入学がスムーズになります。
  • 同じ日本につながりのある仲間と日本の伝統行事を体験することで、日本への愛着が湧き、日本人としてのアイデンティティも形成されやすくなります。

現地校のストレスを発散でき、自尊心を回復できる

  • 現地校に入ったばかりの時期は、現地語がわからず、自尊心を失いやすいので、補習校が癒しの場になる子もいます。

親が全てやらなくて良い

  • 補習校に通っていれば、教材やカリキュラムは用意されているし、宿題やテストという強制力期限があります。補習校でも親のフォローアップは必要ですが、家庭で親が教える場合は、教材探しや内容の把握、学習計画作り、進捗管理、動機付けなど、全てやらなければならず、親の負担はかなり大きくなります。
  • 低学年のときは、親でも教えやすいのですが、高学年になると内容が難しくなり、子供も自立してくるので、親が教えるのは難しくなります。

日本人の保護者と知りあえる

  • 同じように海外で日本語教育をしている家庭と知りあうことができるので、情報交換をしたり、遊んだりできることは、保護者にとっても支えとなります。

塾や家庭教師に比べて、費用が安い

  • 認定校では、日本政府からの補助があるため、一般企業が運営する塾や家庭教師に比べて、費用が安くなります。

「日本語の習得」や「学習」だけであれば家庭でもできますが、さまざまな「機会」「人とのつながり」は、学校でないと得るのはなかなか難しいですよね。

補習校に通うデメリット

習い事との両立が難しい

  • 他の習い事と重なった場合、どちらを優先するかという問題になります。
  • 特に、競技チームなどに入ると、平日の練習も多く、土曜日は長時間の練習や大会があるため、補習校にはほとんど出席できなくなります。両立する場合、宿題の時間の確保や、欠席した分のフォローはかなり大変です。

家族・友達との予定を入れにくい

  • 特に期間限定の駐在であれば、貴重な海外生活を充実させたいと思いますし、行きたいところややりたいことがたくさんあると思いますが、その時間を削らなければなりません。
  • 土曜日は、友達の誕生会に招待されることも多いのですが、誕生会を欠席するか、補習校を欠席して後でフォローするか、どちらにしても辛い選択です。

遠方の場合、保護者の負担が大きい

  • 片道 1 時間以上かかる場合は、送迎が大変です。
  • 土曜日なのに、いつもより朝早く起きて、お弁当を用意したりしなければなりません。
  • 学校が終わるまでの待機場所の確保や、ランチ代、交通費の負担も馬鹿になりません。

子供の日本語レベルや親の求めるレベルが異なる

  • 国際結婚・永住家庭の子供にとって、駐在家庭向けの学校はレベルが高すぎるし、逆に、駐在家庭の子供にとって、国際結婚家庭が多い学校は物足りない可能性があります。

公立校レベルとしても、受験レベルとしても不十分

  • 授業進度が早く、教科書の内容を一通りやるだけなので、補習校に通っているだけでは十分理解できず、演習も足りません。通信教育や市販の教材などを使って、家庭でのフォローが必要になります。
  • 帰国性入試では、日本人学校ではなく、現地校かインターナショナルスクールへの通学経験を条件として、かつ国語・算数なども試験科目としている学校もあります。その場合、日本人学校ではなく、現地校などに通いながら、日本の勉強もしておかなければなりません。しかし、日本の学校を受験する場合は、補習校では不十分で、専門の塾や通信教育、家庭教師などを利用する必要があります。補習校との併用は、かなり大変だし、効果的でないかもしれません。

親子ともに、宿題やテストがストレスになる

  • 家庭でのサポートや管理を求められるので、親もプレッシャーを感じます。
  • 宿題やテストのプレッシャーが強いので、子供に勉強を強制しなければならず、親子ともにストレスになります。

⑦ 勉強や日本語が嫌になる

  • 現地の友達は遊んでいるのに、学校に行ったり、勉強したりしなければならないので、日本語や日本の学習に対してネガティブな気持ちを持ちやすくなります。
  • 子供に勉強を強制することにより、勉強や日本語自体が嫌いになったり、親子関係が悪くなったりするリスクがあります。

日本的な「減点型の完璧主義の教育」により、自己肯定感が下がる

  • 日本で教員経験のある先生も多く、先生自身も日本の教育を受けてきたので、補習校でも日本的な細かいルールが多く、「きちんと」を求める指導をされがちです。
  • 日本的な「減点型の完璧主義の教育」をされると、海外での伸び伸びとした教育環境の良さが消えてしまい、自己肯定感が下がってしまうリスクがあります。

永住家庭にとってはそこまで必要ないし、駐在家庭にとっては受験には不十分。。。
習い事や現地校の宿題が増えてくる。。。
ストレスが多く、モチベーションが保てない。。。
などなど、学年が上がるにつれて、補習校をやめる人が増えていきます。

「勉強や日本語が嫌いになる」「自己肯定感が下がる」ことについては、主観的ではありますが、深刻なことですよね。

まとめ

補習校に通うメリットを簡単にまとめると、「日本の学習ができる」「強制力」「機会」だと思います。

その中でも、私が思う、補習校に通う一番のメリットは、「機会」です。

正直なところ、日本語や日本の学習に関しては、補習校以外でも方法はあります。
そして、日本の学校を受験する場合は、補習校では不十分で、専門の塾や家庭教師などを利用した方がいいと思います。

また、日本語や日本の学習を続けるためには、モチベーションの維持が大切です。
「強制力」は、あると続けやすいし、親は助かるのですが、子供にとってはそれが嫌いになるリスクがあります。
『諸刃の剣』で、毒にも薬にもなりますから、補習校に通うことがベストとは限りません。

それに対して、「機会」は、なかなか個人では得られないものです。
日本語を使う機会、同じ境遇の友達や保護者との対面での付き合い、日本の文化体験などなど。
最近は、オンラインでもいろいろと機会はありますが、やはり対面での機会が得られることは、補習校に通うことの、他に代えがたい本当の価値かなと思います。

補習校に通わせるかどうかは、最終的には、何を一番重視するかで判断することになるかと思いますが、補習校の目的やメリット・デメリットを正しく理解して判断したいですね。

わが家は、いろいろ悩んで最終的にはやめましたが、一度は補習校に通わせてよかったと思っています。
やはり、机上の勉強だけでなく、日本語でコミュニケーションすることや、日本の学校を体験できることは、「学校」ならではだと思いました。
通える範囲にあるなら、まずは行かせてみて、様子を見てもいいと思いますよ。

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